九州で太陽光の話をすると、ほぼ必ずこの質問が出ます。 「九州は出力制御がひどいと聞きました。載せても止められるんじゃないですか」
気持ちはよく分かります。九州は全国で最初に出力制御が行われた地域で、 ニュースでも「太陽光の電気が捨てられている」という取り上げられ方をしてきました。 ただ、ここで語られているのは、ほとんどが事業用の発電所の話です。
結論:ご家庭の太陽光(10kW未満)は対象外です
10kW未満の太陽光は、引続き「当面の間、出力制御対象外」として整理されている
出典:九州電力送配電「出力制御について」
送配電事業者である九州電力送配電が、自社のページでこう明記しています。 つまり、一般のご家庭に載せる4kW〜6kW程度の太陽光は、出力制御の対象になりません。発電した電気が止められることも、そのぶんの売電収入が消えることもありません。
では「6.9%」という数字は何なのか
検索するとよく出てくるのが、九州の出力制御率です。 経済産業省の次世代電力系統ワーキンググループに出された資料では、2026年度の九州本土の出力制御率は再生可能エネルギー全体で6.9%程度という見通しが示されています (2025年度は6.2%の見込み)。
この数字の読み方に注意してください
誰が制御を受けているのか
実際に制御を受けているのは、主に事業用の太陽光発電所とメガソーラーです。 接続した時期によってルールの区分が分かれており、扱いが違います。
| 区分 | 扱い |
|---|---|
| 10kW未満(住宅用) | 当面の間、出力制御の対象外 |
| 旧ルール 10kW以上500kW未満 | 年間30日までは無補償の出力制御対象。30日以内の制御に対する補償はありません |
| 指定ルール等の事業用 | 上限日数の定めがなく、需給の状況に応じて制御されます |
「太陽光は止められる」という話が広まったのは、この事業用の話が住宅用と混ざって伝わったためだと考えています。屋根に4kW載せるお客様と、山を切り開いて2,000kW載せる事業者とでは、置かれている状況がまったく違います。
ただし、例外がひとつあります
増設する場合は、増設した部分が対象になります
すでに太陽光をお持ちで増設をお考えの場合は、いつ申し込んだ設備なのかを先に確認してからご相談ください。当社でお調べすることもできます。ここを知らずに増設を決めてしまうと、 「思っていた話と違う」ということになりかねません。
それでも気になる方へ — 制御を受けても困りにくい設計
住宅用は対象外ですが、制度は将来変わる可能性があります。 当社が提案の段階で意識しているのは、そもそも売電に頼らない構成にしておくことです。
- 自家消費を中心に設計する … 2026年度の売電価格は5〜10年目で8.3円/kWh。一方、買う電気は30円台です。 売るより自分で使うほうが3倍以上の値打ちがあります。
- 蓄電池を組み合わせる … 昼に余った電気をためて夜に使えば、売電価格の影響をほとんど受けません。 停電への備えにもなります。
- 載せすぎない … 日中に人がいないご家庭で大量に載せると、余った電気を8.3円で売ることになります。 電気の検針票から使用実態を見て、適切な容量を出すほうが確実です。
まとめ
- ご家庭の太陽光(10kW未満)は、出力制御の対象外です
- よく引かれる6.9%は事業用を含む全体の数字で、住宅用には当てはまりません
- 例外は平成27年3月31日以前の設備への増設分のみです
- 制度は変わりうるので、売電に頼らない設計にしておくのが確実です
出典と、確認のしかたについて
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