売電24円時代の太陽光。それでも元は取れるのか

2026年度の買取価格は1〜4年目が24円、5〜10年目が8.3円。数字だけ見ると厳しく見えますが、判断の軸は「売る」ではなく「買わずに済む」に移りました。何をどう計算すればよいかを整理します。

太陽光2026年8月20日6分で読めます

「昔は42円で売れたんですよね。いま載せても意味ないんじゃないですか」 現地調査でよく言われます。たしかに買取価格は下がりました。ただ、この10年で変わったのは売る側の値段だけではありません。買う側の値段も上がっています。両方を並べないと、判断を誤ります。

2026年度の買取価格

期間買取価格備考
1〜4年目24円/kWh前半に手厚く配分されています
5〜10年目8.3円/kWh10年で買取期間は終わります

これは資源エネルギー庁が定めた「屋根設置太陽光発電の初期投資支援スキーム」という考え方によるものです。 全期間で同じ単価にするのではなく、最初の4年に厚く配分して初期費用の回収を早める設計になっています。 国が「早く元を取ってもらう」方向に舵を切った、と読むのが正しい理解です。

比べるべきは「買う電気の値段」です

同じ1kWhでも、値打ちが3倍以上ちがいます

電気を買うときの単価は、2026年8月時点でおおむね1kWhあたり30円台です。 一方、売るときは5〜10年目で8.3円。 つまり1kWhを売って8.3円もらうより、1kWhを買わずに済ませて30円払わないほうが、3倍以上得です。

だから、いまの太陽光の正しい使い方は「発電したぶんを、その場で使い切る」ことです。 売電収入を狙う設備ではなく、電気代を先に払い終える設備だとお考えいただくと、判断がしやすくなります。

だから「載せられるだけ載せる」は正しくない

ここは営業の場でも誤解が生まれやすいところです。屋根に載る最大枚数を提案するのが、必ずしもお客様の得にはなりません。

  • 日中に人がいないご家庭 … 発電の多くが余ります。余った電気は8.3円にしかなりません。 載せすぎると、その分の設備費を回収しにくくなります。
  • 在宅時間が長い・エコキュートやEVがある … 日中に使い切れるので、多めに載せる意味が出ます。
  • 蓄電池を組み合わせる … 昼の余りを夜に回せるため、 自家消費の比率が上がり、売電価格の影響をほとんど受けなくなります。

当社では、電気の検針票を数か月ぶん拝見して、実際の使い方から容量を決めています。 「何kW載りますか」ではなく「日中にどれだけ使いますか」から入るのが、いまの正しい順番です。

回収年数は、条件を入れないと出せません

「何年で元が取れますか」は当然のご質問ですが、次の5つが決まらないと、意味のある数字は出ません。

  • 屋根の向き・勾配・面積(南向きが最良ですが、東西でも南の約85%は発電します)
  • 日陰のでき方(建物・電柱・樹木。かかった枚数以上に発電が落ちます)
  • いまの電気の使い方(月々の使用量と、昼と夜の割合)
  • お住まいの市町村で使える補助金(1kWあたり7万円出る市町もあれば、制度が無い市町もあります)
  • パワコン交換の費用(10〜15年で交換時期が来ます。ここを外すと計算が合いません)

回収年数だけを大きく謳う見積りには注意してください

補助金を最大額で見込み、電気代の値上がりを強めに置き、パワコン交換を入れなければ、回収年数はいくらでも短く見せられます。当社は現地調査のうえで、想定発電量・電気代の削減見込み・補助金の額・将来かかる費用まで並べた試算をお出しします。ここは無料です。

補助金が入るかどうかで、話が変わります

初期費用に直接効くので、回収年数を最も大きく動かすのは補助金です。しかも市町村ごとに桁が違います。

太陽光の補助
糸島市・大木町(福岡)7万円/kW・上限63万円(9kWまで)
佐賀県内(SAGAゼロカーボン加速化事業)7万円/kW・上限35万円 ※ただし抽選
中津市(大分)7万円/kW・最大35万円
朝倉市(福岡)1万円/kW・最大8万円
大村市(長崎)ほか2026年度分は予算満了で終了

同じ5kWを載せても、市が違うだけで35万円の差がつきます。そして締切前でも予算が尽きれば終わります。回収年数を真面目に考えるなら、 まずお住まいの市町村でいま何が使えるかを確かめるのが先です。

まとめ

  • 買取価格は下がったが、買う電気は30円台。売るより使うほうが3倍以上の値打ち
  • 国は前半4年に厚く配分して、回収を早める設計にしている
  • 載せられるだけ載せるのが正解とは限らない。日中の使い方から決める
  • 回収年数は補助金で大きく変わる。まず自分の市町村を調べる
  • 試算にはパワコン交換の費用を必ず入れる
買取価格は資源エネルギー庁「2026年度以降の買取価格等」(2026年3月公表)にもとづいています。年度ごとに変わるため、ご契約の前にはその時点の価格をお伝えします。

お住まいの条件で調べます

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