「蓄電池は何kWhがいいですか」というご質問に、その場で数字だけをお答えすることはしていません。容量は、ご家庭の電気の使い方と、何のために置くのかで変わるからです。
一般的なご家庭では6〜10kWhが多く選ばれていますが、 これは結果であって、そこから決めるものではありません。
判断の軸は2つだけです
| 軸 | 何を見るか |
|---|---|
| ① 夜にどれだけ使うか | 昼に太陽光で作った電気を、夜に何kWh使い切れるか。ここが「毎日の元が取れるか」を決めます |
| ② 停電のとき何を動かしたいか | 冷蔵庫と照明だけでよいのか、エアコンまで動かしたいのか。ここが「いざというとき役に立つか」を決めます |
①だけで決めると、停電のときに足りません。②だけで決めると、普段は容量を持て余します。両方を並べて、どちらを優先するかを決めるのが実務です。
① 夜の使用量から考える
まず電気の検針票を数か月ぶんご用意ください。月の使用量(kWh)が分かります。 たとえば月400kWhなら1日あたり約13kWh。このうち夜間に使うのがどれくらいかを見ます。
- 共働きで日中不在のご家庭 … 使用の多くが夜に寄ります。蓄電池が効きやすい形です
- 在宅時間が長いご家庭 … 昼にそのまま使えるので、蓄電池に回す量は少なめになります
- エコキュートがある … 深夜に沸き上げるため、その分は別建てで考えます
カタログの容量と、実際に使える量は違います
② 停電したときに何を動かしたいか
こちらは容量よりも「機種の型」が効いてきます。 全負荷型なら家じゅうのコンセントが生きますが、そのぶん電気の減りが早くなります。 詳しくは別の記事に書きました。
容量の目安としては、次のように考えます。
| 動かしたいもの | 考え方 |
|---|---|
| 冷蔵庫・照明・スマホの充電 | 5kWh台でも成り立ちます |
| 上記+テレビ・Wi-Fi・炊飯 | 6〜10kWhが現実的です |
| 上記+エアコン | 10kWh以上。さらに200V対応の機種でないと、そもそもエアコンが動きません |
| 家族が多い・在宅介護がある | 余裕を見て大きめに。医療機器がある場合は必ずお申し出ください |
大きくすればよい、というものではありません
使い切れない容量は、ただの費用です
ただし例外があります。福岡市のように「14kWh以上で上限45万円」と、 容量が大きいほど補助が厚くなる制度がある市町では、 大きめを選んだほうが実質負担が下がることがあります。お住まいの市町村の補助金を見てから容量を決めると、判断が変わる場合があるということです。
太陽光との組み合わせで考える
蓄電池だけを置いても、夜間の安い電気をためて昼に使うという使い方になり、 効果は電力プラン次第です。太陽光と組み合わせると、昼に作った電気を夜へ回せるので、 買う電気そのものが減ります。
2026年度の売電価格は5〜10年目で8.3円/kWh、買う電気は30円台です。余った電気を8.3円で売るより、ためて夜に使って30円を払わずに済ませるほうが、3倍以上得になります。 これが、いま蓄電池を組み合わせる最大の理由です。
補助金の面でも、同時設置のほうが有利です
当社がやっていること
- 検針票を数か月ぶん拝見して、実際の使用量と昼夜の割合を出します
- 停電時に動かしたいものを一緒に決めます(ここを先に決めると機種が絞れます)
- 実効容量で計算します。カタログの数字では計算しません
- お住まいの市町村の補助金を調べてから、容量の最終判断をします