蓄電池は何kWh選べばいいのか。容量の決め方

カタログの数字だけでは決められません。判断の軸は「夜どれだけ使うか」と「停電のとき何を動かしたいか」の2つです。実際の電気の使い方から容量を出す手順を説明します。

蓄電池2026年8月20日6分で読めます

「蓄電池は何kWhがいいですか」というご質問に、その場で数字だけをお答えすることはしていません。容量は、ご家庭の電気の使い方と、何のために置くのかで変わるからです。

一般的なご家庭では6〜10kWhが多く選ばれていますが、 これは結果であって、そこから決めるものではありません。

判断の軸は2つだけです

何を見るか
① 夜にどれだけ使うか昼に太陽光で作った電気を、夜に何kWh使い切れるか。ここが「毎日の元が取れるか」を決めます
② 停電のとき何を動かしたいか冷蔵庫と照明だけでよいのか、エアコンまで動かしたいのか。ここが「いざというとき役に立つか」を決めます

①だけで決めると、停電のときに足りません。②だけで決めると、普段は容量を持て余します。両方を並べて、どちらを優先するかを決めるのが実務です。

① 夜の使用量から考える

まず電気の検針票を数か月ぶんご用意ください。月の使用量(kWh)が分かります。 たとえば月400kWhなら1日あたり約13kWh。このうち夜間に使うのがどれくらいかを見ます。

  • 共働きで日中不在のご家庭 … 使用の多くが夜に寄ります。蓄電池が効きやすい形です
  • 在宅時間が長いご家庭 … 昼にそのまま使えるので、蓄電池に回す量は少なめになります
  • エコキュートがある … 深夜に沸き上げるため、その分は別建てで考えます

カタログの容量と、実際に使える量は違います

蓄電池は、表示された容量を100%使い切る設計にはなっていません。電池を傷めないよう、実際に取り出せる量(実効容量)は表示より少なくなります。「10kWhあるから毎晩10kWh使える」と考えると、計算が合いません。機種ごとに違うので、お見積りの段階で実効容量をお伝えしています。

② 停電したときに何を動かしたいか

こちらは容量よりも「機種の型」が効いてきます。 全負荷型なら家じゅうのコンセントが生きますが、そのぶん電気の減りが早くなります。 詳しくは別の記事に書きました。

容量の目安としては、次のように考えます。

動かしたいもの考え方
冷蔵庫・照明・スマホの充電5kWh台でも成り立ちます
上記+テレビ・Wi-Fi・炊飯6〜10kWhが現実的です
上記+エアコン10kWh以上。さらに200V対応の機種でないと、そもそもエアコンが動きません
家族が多い・在宅介護がある余裕を見て大きめに。医療機器がある場合は必ずお申し出ください

大きくすればよい、というものではありません

使い切れない容量は、ただの費用です

蓄電池は容量が大きいほど高くなります。毎晩5kWhしか使わないご家庭が16kWhを載せても、余った容量は毎日ただ眠っているだけです。しかも蓄電池には寿命(充放電の回数)があり、使っても使わなくても年数は進みます。

ただし例外があります。福岡市のように「14kWh以上で上限45万円」と、 容量が大きいほど補助が厚くなる制度がある市町では、 大きめを選んだほうが実質負担が下がることがあります。お住まいの市町村の補助金を見てから容量を決めると、判断が変わる場合があるということです。

太陽光との組み合わせで考える

蓄電池だけを置いても、夜間の安い電気をためて昼に使うという使い方になり、 効果は電力プラン次第です。太陽光と組み合わせると、昼に作った電気を夜へ回せるので、 買う電気そのものが減ります。

2026年度の売電価格は5〜10年目で8.3円/kWh、買う電気は30円台です。余った電気を8.3円で売るより、ためて夜に使って30円を払わずに済ませるほうが、3倍以上得になります。 これが、いま蓄電池を組み合わせる最大の理由です。

補助金の面でも、同時設置のほうが有利です

九州の市町村の制度を実際に確認したところ、「蓄電池だけの導入は対象外」としている市町がいくつもありました(鹿屋市・益城町・大崎町など)。太陽光をまだお持ちでないなら、同時に設置するほうが補助の選択肢は確実に広がります。

当社がやっていること

  • 検針票を数か月ぶん拝見して、実際の使用量と昼夜の割合を出します
  • 停電時に動かしたいものを一緒に決めます(ここを先に決めると機種が絞れます)
  • 実効容量で計算します。カタログの数字では計算しません
  • お住まいの市町村の補助金を調べてから、容量の最終判断をします

お住まいの条件で調べます

現地調査とお見積りは、九州全域どこでも無料です。使える補助金があるかどうかも、あわせてお調べします。