停電したとき家じゅうの電気は使えるか|全負荷型と特定負荷型

蓄電池選びで最も差が出るところです。全負荷型なら家じゅう使えますが、そのぶん電気の減りが早くなります。200Vのエアコンが動くかどうかも機種次第です。誤解しやすい点を整理します。

蓄電池2026年8月20日5分で読めます

蓄電池を選ぶとき、容量(kWh)ばかりが話題になりますが、停電したときの使い勝手を決めるのは、容量ではなく「型」です。ここを知らずに契約すると、いざ停電したときに「エアコンが動かない」ということが起こります。

2つの型があります

特定負荷型全負荷型
停電時に使える範囲あらかじめ決めた回路だけ(冷蔵庫・照明など)家じゅうのコンセント
電気の減り方ゆっくり。同じ容量で長くもちます早い。うっかり使うとすぐ空になります
本体価格比較的おさえられます高くなります
向いている方停電時は最低限でよい、費用をおさえたい普段どおりに過ごしたい、家族が多い、在宅介護がある

全負荷型は「家じゅう使える」が「家じゅう使ってよい」ではありません

全負荷型は確かに家じゅうのコンセントが生きます。ただし蓄電池の容量は変わりません。普段どおりに使えば、その分だけ早く空になります。「全負荷型だから安心」ではなく「全負荷型でも、停電中は使う物を選ぶ」のが正しい使い方です。

特定負荷型で気をつけること

特定負荷型は、工事のときに「どの回路を生かすか」を決めます。あとから変えるには工事が必要です。だから最初の打ち合わせが重要になります。

  • 冷蔵庫 … ほぼ全員が選びます。中身を守れるかどうかは大きな差です
  • リビングの照明とコンセント … スマホの充電と情報収集の拠点になります
  • Wi-Fiルーター … 忘れられがちですが、停電時の情報収集に効きます
  • 給水ポンプ … 高台や集合住宅で、これが止まると水が出なくなることがあります
  • 寝室のコンセント … 医療機器をお使いの場合は必ず含めます。先にお申し出ください

200Vのエアコンは、機種を選ばないと動きません

ここが最も誤解されています

200Vのエアコンや IHクッキングヒーターは、200V対応の蓄電池でないと停電時に使えません。全負荷型を選んでいても、200Vに対応していない機種なら動きません。「全負荷型=何でも使える」ではないということです。

九州の夏に停電すると、エアコンが使えるかどうかは深刻な問題になります。エアコンを動かしたいなら、①全負荷型であること ②200V対応であること ③容量が十分あることの3つがそろって初めて成立します。ひとつでも欠けると動きません。

なお、エアコンは動き始め(起動時)に大きな電力を必要とします。蓄電池の出力(kW)が足りないと、容量が残っていても起動できないことがあります。容量(kWh)と出力(kW)は別の数字です。ここも見積りの段階で確認します。

九州では「台風で停電する」ことを前提に考えます

当社が施工しているのは、毎年のように台風が通る地域です。 停電は「めったにないこと」ではなく、数年に一度は現実に起きることとして設計します。

  • 停電は数日続くことがあります。満充電から使い切って終わり、ではなく、翌日に太陽光で充電できるかが効いてきます。 太陽光と蓄電池をセットにしておく意味はここにもあります。
  • 台風が来ると分かっている時点で満充電にしておく。機種によっては、気象警報に連動して自動で充電するものもあります。
  • 停電が復旧したあとの動作も確認しておいてください。 自動で通常運転に戻るか、手動の操作が要るかは機種によります。

決め方の順番

当社では、次の順でお伺いしています。この順番だと、機種が自然に絞り込まれます。

  • 停電のとき、何を動かしたいですか(ここが最初です)
  • エアコンを動かしたい → 全負荷型・200V対応・十分な出力が必要になります
  • 最低限でよい → 特定負荷型で、生かす回路を一緒に決めます
  • そのうえで、夜の使用量から容量を出します
  • 最後に、お住まいの市町村の補助金を見て最終判断します
「どちらがよいですか」と聞かれたら、ご家庭の事情によりますとしかお答えできません。 ただ、停電のときに何をしたいかを先に決めていただければ、答えは自然に出ます。現地調査のときに一緒に考えますので、決めきれていなくても大丈夫です。

お住まいの条件で調べます

現地調査とお見積りは、九州全域どこでも無料です。使える補助金があるかどうかも、あわせてお調べします。