「太陽光の補助金、うちの市はあるんですか」というご質問を、現地調査のたびにいただきます。 答えは市町村ごとにまったく違います。1kWあたり7万円を出すところもあれば、そもそも制度が無いところもあります。同じ県の隣り合った市でも、金額が3倍違うことは珍しくありません。
当社では九州各県・各市町村の公募ページを毎朝自動で確認しています。 2026年8月20日時点で、受付中の制度は53件。 そのうち30件は市町村または県の公式ページで直接確認しました。 この記事では、その過程でわかったことをそのまま書きます。
まず、いちばん大事なこと
締切より先に、予算が尽きます
だから見るべきなのは締切ではなく、残っている予算です。 調べていて分かったのですが、残り枠を公表している市町がいくつもあります。ここを見れば、いま動くべきかどうかが判断できます。
残り枠を公表している市町(2026年8月20日時点で確認)
| 市町 | 残り | 時点 |
|---|---|---|
| 糸島市(福岡) | 残り2kW分 | 2026年6月29日 |
| 大木町(福岡) | 989万円(予算1,300万円) | 2026年7月21日 |
| 大野城市(福岡) | 1,702万円(21件が交付済み) | — |
| 中津市(大分) | 39,719,000円 | 2026年8月7日 |
| さつま町(鹿児島) | 774万円 | 2026年8月3日 |
とくに糸島市は深刻です。太陽光に1kWあたり7万円・上限63万円という手厚い制度ですが、 市は「令和8年6月29日時点 残り2kW分」「0kWになった時点で募集を終了」と公表しています。2kW分は約14万円。締切の11月30日を信じて動くと、まず間に合いません。
すでに終わっている市町があります
受付中のものを探すのと同じくらい、終わったものを知っておくことが大事です。 期待していた補助金が無いと分かるのが契約の直前だと、話がまるごと崩れます。
| 県 | 受付を終了している市町 |
|---|---|
| 長崎県 | 佐世保市・島原市・諫早市・大村市・雲仙市・佐々町 |
| 佐賀県 | 鳥栖市・嬉野市・神埼市 |
当社の地元、大村市も終わっています
県ごとの特徴
佐賀県 — 金額は手厚いが、抽選です
佐賀県内では「SAGAゼロカーボン加速化事業」という共通の枠組みで、太陽光 7万円/kW・上限35万円、蓄電池 対象経費の1/3・上限47万円という 九州でも手厚い水準の補助が出ます。ただし注意点があります。
先着順ではなく、抽選です
長崎県 — 県が市町の状況を1ページで公表しています
長崎県は県内20市町の実施状況をまとめて公表しています。 補助は太陽光 5万円/kW または 7万円/kW、蓄電池は費用の1/3。 まとめサイトを見るより、まずここを見るのが確実です。 当社もこのページで、受付中の市町と終了した市町を確認しました。
福岡県 — 市町ごとに大きく違います
九州最大の市場ですが、県としての共通枠組みは無く、市町ごとに独自の制度です。金額の幅も大きくなります。
| 市町 | 太陽光 | 蓄電池 |
|---|---|---|
| 糸島市・大木町 | 7万円/kW・上限63万円(9kWまで) | 機器費の1/3 |
| 宗像市 | 7万円/kW・上限28万円(4kWまで) | 設置費用の1/3(6kWhまで) |
| 福岡市 | 2万円/kW・上限10万円 | 機器費の1/2・最大45万円(14kWh以上) |
| 筑紫野市 | 2.5万円/kW・最高10万円 | 2.5万円/kWh・最高10万円 |
| 朝倉市 | 1万円/kW・最大8万円 | 1万円/kWh・最大8万円 |
調べていて分かった「落とし穴」
制度があることと、その方が使えることは別です。実際に公式ページを1件ずつ読んで、取り違えると事故になる条件がいくつも見つかりました。
- 筑紫野市 … 施工業者が「市内に事業所を有する法人・個人事業主」に限られます。市外の業者が施工すると、この補助金は受けられません。当社が施工する場合も対象外です。隠さずお伝えしています。
- 久留米市 … 一律10万円ですが、対象はZEH+・GX志向型住宅・LCCM住宅で、ZEHは対象外・蓄電池単体も対象外。さらに国の補助金の交付決定が前提です。 太陽光を載せただけでは対象になりません。
- 南九州市 … 事業者専用です。個人の住宅は対象外で、蓄電池も含まれません。
- 大分市 … 太陽光への補助は平成30年度で終了しており、いまは蓄電池のみ(一律5万円)です。
- 鹿屋市・益城町 … 蓄電池の補助ですが、太陽光の設置が前提で、蓄電池だけの導入は対象になりません。
- 大野城市 … 申請が工事完了後です。ほとんどの制度と逆で、 着工前に出しても受け付けられません。
申請のタイミングを間違えると、全部無駄になります
いちばん多い失敗がこれです。多くの制度は「工事の契約前・着工前」の申請が条件で、 工事を始めてから申請しても受け付けられません。しかも市町によって「着工の2週間前まで」 (嘉麻市・益城町)のように具体的な期限があります。
逆に、大野城市や大分市、さつま町のように設置後に申請する制度もあります。 どちらなのかを最初に確認しないと、取り返しがつきません。
いま受付中の53制度を一覧にしています
長崎県・佐賀県・福岡県・鹿児島県・熊本県・大分県の53制度を、 締切の近い順に並べたページを用意しました。金額・条件・公式ページへのリンクを載せています。 当社が公式ページで直接確認したものには印を付けているので、どこまで裏が取れている情報なのかも分かるようにしています。
最後に