「屋上の防水、そろそろやり直したほうがいいですよ」。 点検に来た業者さんからこう言われて、本当にいま要るのか判断がつかないというご相談をいただきます。
雨漏りしていれば分かりやすいのですが、防水は漏れてからでは遅い工事です。漏れた時点で、下の躯体(コンクリートや鉄筋)まで水が回っていることがあります。 かといって、言われるたびにやり直すものでもありません。見るところがあります。
まず見るのは、屋上の「排水口」です
防水層そのものより先に、水の出口を見ます。排水口(ドレン)が落ち葉や土で詰まっていると、雨のあと屋上に水が溜まったままになります。 溜まった水は、防水層の弱いところを探して入っていきます。
- 雨のあと、水たまりが残っていないか … 2日経っても残るなら、勾配か排水口に問題があります
- 排水口のまわりだけ色が変わっていないか … 水が長く触れていた跡です
- 防水層がふくれていないか … 下に水か空気が入っています。踏むとぶかぶかします
- 立ち上がり(壁との境目)の端が浮いていないか … 漏れがいちばん多いのはここです
- 表面に細かいひび割れが全面に出ていないか … 塗膜が寿命を迎えたときの形です
全面がきれいでも、1か所の端部から漏ります
工法は、大きく3つに分かれます
それぞれ性格が違います。どれが優れているという話ではなく、下地と建物の形で決まります。
| 工法 | 向いているところ | 性格 |
|---|---|---|
| ウレタン塗膜防水 | 形が複雑な屋上、室外機や配管が多いところ | 液体を塗って膜にするので、入り組んだ形に追従できます。継ぎ目ができません |
| シート防水 | 広くて平らな屋上 | あらかじめ出来ているシートを敷きます。品質が均一で工期が短い。継ぎ目の処理が要点です |
| アスファルト防水 | ビルや集合住宅の大きな屋上 | 層を重ねるので丈夫ですが、工事の規模が大きくなります |
耐用年数はおおむね10年前後を目安にしているメーカーが多いのですが、 これは「10年で必ず壊れる」という意味ではありません。 日当たり、人が歩くか、水が溜まりやすい形か。同じ工法でも、持ちはまるで違います。
「かぶせる」か「剥がす」かで、金額が変わります
いまの防水層の上から新しくかぶせる方法と、既存を撤去してからやり直す方法があります。
- かぶせる … 撤去と処分が要らないので、工期も費用も軽くなります。ただし下に水が入っている状態でかぶせると、閉じ込めてしまいます
- 剥がす … 下地の状態を見てから直せます。処分費と工期がかかります
だから「ふくれているか」を先に見ます。ふくれているのに安いほうを選ぶと、数年でまた同じところが浮いてきます。 逆に、傷みが表面だけなら、剥がさないほうが合理的です。
🎯 屋上に室外機が載っていると、防水だけでは終わりません
これはお見積りを比べるときに、いちばん差が出るところです。 屋上にエアコンの室外機が置かれているお宅では、防水をやり直すのに室外機をどかす必要があります。
- 室外機を一時的に移すのか、架台ごと交換するのか … 架台の足が錆びていれば、戻しても同じことになります
- 冷媒管(エアコンの配管)を何系統さわるのか … 台数ぶんの配管が屋上を走っています。外して繋ぎ直す手間がかかります
- 使われていない配管が残っていないか … 以前の機械のぶんが置き去りになっていることがあります。残すのか撤去するのかを決めておきます
- 架台を止めるボルトが防水層を貫いていないか … 貫いている場合、そこが将来の漏れ口になります。独立した基礎に替えられるかを見ます
防水屋さんと設備屋さんが別だと、ここで話が止まります
当社が現地で確認していること
- 排水口の数と詰まり。雨のあとに伺えるなら、水たまりの残り方も見ます
- ふくれの範囲。踏んで確かめ、かぶせられるか剥がすかを判断します
- 立ち上がりの端部と、貫通しているものすべて(架台のボルト・手すりの足元・配管)
- 屋上に載っている機械の台数と、配管の系統数。ここを数えずに出した見積りは、必ず後から増えます
- 屋根の上はドローンで撮ります。登れない形のお宅でも、画面でご覧いただけます
先に決めておくと、迷わずに進みます
防水は「どの工法にするか」から考えると迷います。順番は、①いまどこが傷んでいるか ②かぶせられるか ③屋上に載っているものをどうするか ④工法です。 ④から話が始まったときは、一度止めて①に戻ってください。
千葉県柏市では、この屋上防水を実際にご依頼いただいています。現地調査とお見積りは無料です。その場での契約はお願いしません。